成長:今再び「守破離」を考える

一雨毎に温かさが増していく日々。
そろそろ花屋の店先でもアジサイの花を見かけ、山は新緑が映える時期ですね。

と同時に、この時期、昼と朝晩の寒暖の差が激しいので、体調管理に気をつけないといけないなと思う今日この頃。

さて、今回は、一年以上前に投稿した「守破離(しゅはり)」の考え方について、もう少しつっこんで考察してみようと思います。

藤原稜三著『守破離の思想』によれば、守破離とは、

学び学びて「」を越え、
一途に己自身を錬磨し「」に至り、
願わくば真理を気得体得す「」へ近付かん。

わかりやすい言葉で言い換えてみると、

師匠の教えを守り、技も精神もそのまま受け継ぎ、まず型に着き、
さらに鍛錬していく中で自身の個性に気付き、型を破って、
そこから離れる(巣立つ)ことで、自分の新しい型を生み出す。

ということですが、
別の書物の解説を見てみると、

「守破離」の「」とは、武道を学ぶにあたって、師や各流派独自の教えや形、技などを忠実に守り、それからはずれることのないよう精進して、その教えを堅く守って身につけることである。

」とは、今まで学んで身につけた教えや形、技が確実に身につき、修行がさらに進んでいけば、自然と他流の師の教えも心がけ、他流のよい技を取り入れていく。そして自己の守ってきた形の技を破って、心と技を発展させていくのである。

」とは、破の状態よりさらに修行していくうちに「守」にとらわれず、また「破」も意識せず、おのずから一つの形、流派を離れて新機軸を開いて、独自の新しいものを生み出して、修行していくことである。

この「守破離」の精神は単に武道ばかりでなく、人間の生き方すべてにとって大事なことである。

中村泰三郎著『日本刀精神と抜刀道』より

上記の解説を読んでみてもわかりますが、この「守破離」の考え方自体が、人の成長を表しています。

ここで、ちょっと人の一生を考えてみましょう。

おぎゃーと生まれた赤ちゃんは、他の生き物とは違って、親あるいは親に変わる存在がいないと決して一人では生きていけません。

これは人間の成長を考える上で、とても重要な事柄です。

完全な依存状態の赤ちゃんは、親からの愛情を受けようと一心にアピールします。
そして、親のやるそのままを真似ようとしながら、手を動かし、足をバタバタさせながら、這い始め、立ち上がり、やがて歩くようになります。
親の手を借りずとも、あらゆることが自分でできることに気付き始めた子どもは、やがて反抗期や思春期を迎えていきます。
これが自我の目覚めになるわけです。

地ばっかり這っていたけど、上を見上げてみると、実は無限の大空が広がっていたということに気づく頃。
つまり、「守」から「破」へと移行していく時期。

親の立場からしてみると、反抗期には、なかなか言うことを聞かない子どもには手を焼き、寂しさを感じることもあります。
しかしこれは、自覚し成長しながら最終的には自立していくようになっている成長のプロセスからすれば、当然のことなのです。

ここで、子どもを甘やかしたり否定したりしながら、親への依存状態を続けさせようとすると、いつまでも自立できない子どもに育ってしまいます。

子どもは親の所有物でもロボットでもなく、この宇宙に生み出された一個のかけがえのない個体として巣立っていくようになっているのです。これがすなわち「離」の境地に移行していく瞬間。

今までの投稿にもよく使用してきた「s・a・n・a・g・i」のフローに守破離を合わせてみると以下の図のようになります。

「守破離」を簡単にまとめてみると、



この期間は、私情を挟むことなく、ただひたすらに先達や師の教え(型)を自らが体現できるようになるまで忠実に修得する期間。



その教え(型)を確実に「体現」出来る様になった時はじめて、想像と創造により最大限に応用し、自分自身のスタイルを模索しながら巣立ちへと向かう準備期間。
つまり、サナギになって、本来の自分へと【自覚】→【受容】→【習慣】→【実行】→【成長】へと移行していきながら、生まれ変わり、【自立】していく期間。



「破」の期間に見えた「自分自身のスタイル」を携え、それまでの経験に基づき、肉付けしたり、逆に削り落としながら、さらに磨きをかけながらも、次世代へと継承していく段階。


今回の東日本大震災による未曾有の事態によって、日本に住む人々のみならず、世界中の人々が、生まれ変わっていくような時を迎えています。

生まれ変わるといっても、イモムシがチョウに変化するような物理的、外見的な変化ではなく、精神的な部分、つまり思考方法や価値観が大きく変わろうとしています。

こんな時だからこそ温故知新が大切で、先達が残した「守破離」のような高邁な精神をもとに、真の豊かさや幸福とは何かを考えていきたいなと思うのでありました。

最近、ブログ更新も遅れがちですが、今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。


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